こんな筈じゃなかった東京の八月。世間の状況はあまりこれを歓迎しなかったわけですが、三週続けてステージに立てました。僕のやっていることは経済活動ではないので、これが経済最優先社会において歓迎されないのも、致し方ありません。
でも、僕や僕ら、情熱しかない人たちと、それを積極的に眺めて気分をよくしたり、いや時には悪くしたりする人たちにとっては、この機会を享受できて悔いなし、だったのではないかなと思っています。
ご来場の皆さま、大変ありがとうございました。たくさんの顔と久しぶりにお会いできて、自然と顔はほころびました。配信にて同時にご観覧いただけた皆さま、ありがとうございました。いつかはどちらの皆さんの空気も融合し体感共有できるような仕組みを捻り出してみせようと思っています。
まだまだ変則開催です。本来なら、軽音楽部をやった後に一人分くらいの時間を挟んで、自分が歌うという分量でした。ところが、新しい時代において、換気の回数や出演者の総数、客席の密度などなどを考え合わせても、かつてのような時間割は実現しません。
というわけで、先週の渋谷でのライブ映像がちょうど20分でしたので、それを皆さんと観覧するという時間を作りました。あの場をご覧でなかった方もあったわけです。生涯最後の最大のステージ。フィールドのでっかいスクリーンで、見ておいていただけてよかったです。
西池袋軽音楽部は、今週に入ってリハーサルを行っていました。30年前のミュージシャン界がただただ華やかだったお話とともに、当時の楽曲を演奏しました。あの指が踊り転がるようなピアノの装飾音を間近で聴きながらというのは、何度ご一緒しても僕は、贅沢な気持ちになります。
この七月八月は、実は先週の渋谷のセットリストを骨にして、差し替えたり膨らませたりして作ってきたのだという話をしながら、進めました。お時間のある方は、ここ数回のセットリストを眺めてください。こんなにも同じ曲ばかりやった季節は、過去にはありません。足を運んでいただきにくいという状況も状況でした。こちらより。
しかし今後こういう進め方も、いいかもしれないなあ。季節ごとに限定CDを作っての、区切り区切りをつけながら。という自分なりの生き方の案が、朧ながら見えてきた夏でした。
しばらくまた、一ヶ月ほど時間があきます。元気でまた、お会いできますように。おからだに気をつけて、夏の終わりをみなさんが楽しめますように。